ぱんつにたいする男子のきもち 



久々に野球部の練習が休みで、念願叶って付き合うことになった(そんなことおくびにもださないが)彼女の家に遊びにきた。
いわゆる自宅デートというやつである。
「あーあべくん!いらっしゃい!」
「おす。あがっていいか?」
「うん!部屋こっち!」
靴を脱いで、おじゃましますと言いながら一歩家に上がる。
すると待ちきれないように、が手を取って部屋へと小走りに駆ける。
「(かわい…)」
思わず顔がにやける。
の部屋はおとなしい色合いで、置かれた小物のかわいらしさがいい具合に目についた。
なんだか花のようなかおりもして、いかにも女の子の部屋だ。
「待っててね、今飲み物とかもってくるから」
「おう、悪いな」
「ううん!おいしいカステラあるの、一緒に食べよ!」
にっこり笑って言うと、彼女は部屋を後にした。
とりあえずテーブルの前に座って、部屋を見回す。
改めて、女の子の部屋である。
ふとベッドの上を見ると、彼女の母親が置いたのだろう、きれいにたたまれた洗濯物が置いてあった。
なんとなく後ろめたい気持ちになりながら、まあこんくらいはいいだろうと一番上にあったニットのワンピースを手に取る。
「へえ…こういうの着てるんだ」
ふわふわと手触りのいいそれを見ながら、女子のおしゃれってわかんねーけど、たぶんこれ着たはかわいいんだろうな、と思った。
そして本人が戻ってくる前に元の場所に戻そうとしたとき、阿部の目にとまったのは、いわゆる、
「(ぱ、ぱんつ…!)」
白と水色のボーダー柄で、変に大人ぶってもなく、むしろ少し子供っぽい彼女の印象にぴったりのものである。
阿部はふるえる手でワンピースを横に置き、なぜか、本能のしわざだろうか、彼女のパンツを手に取った。
いくら冷静沈着で脳みそフル回転させるととんでもない思考を発揮する阿部といえど、いとしい彼女の下着を目の前にすればただの一男子にすぎない。
「(いや…別にこれをどうにかするわけでもねーし…)」
しかしかわいい。実にかわいい。
「(がこれ…履いてんのか…)」
だんだんと変態的な思考になってくる自分を打ち消そうと、頭を強く振ったそのとき、部屋のドアがゆっくり開いた。
「うわっ」
とっさに自分のカバンの中に彼女の下着を突っ込んでしまい、しまったと思った時にはもう遅く、目の前ににこにこしながらお盆をテーブルに置く彼女がいた。
「?うわ、って、どうかしたの?」
「い、いやなんでもねーよ」
「え、でも」
「あっ、か、カステラ!な!カステラ食おうぜ!」
「なんかあべくん」
「俺カステラすっごい好きっていうかもうほんとカステラ以外食いたくないみたいな時もあるし」
「へんじゃな」
「いやうまいなこれうまいよ、も食えよほらうまいぞカステラほんとうまい」
「…」




なんか今日のあべくん変だね、といわれて帰ってきた彼は、自分のカバンとにらめっこしながら眠れぬ夜を過ごすことになったという。




ぱんつ騒動男の子編